自然の中の八百万の神々と御神体

自然物の御神体
神社 神道 豆知識

八百万の神々が祀られている日本では、仏教が伝来する以前、神社の社は無く自然物を通じて神の存在を感じてきた。
岩、木、山など古くはこれらを神が降臨する依り代とし、その場所に神を招いて祭祀を行っていた。
現在は、神社というと鳥居があり立派な社殿があり御神体は一般には目に触れるようにはなっていないが、それでも古来のままの自然物を御神体とし、目に見える状態で御神体をお祀りしている神社はある。
例えば、熊野那智大社別宮飛瀧神社では、那智の大滝を御神体としている。

他にも、神聖な岩や山の独特な呼び方も以下のようなものがあり御神体をお祀りしている神社がある。

磐座 いわくら

『磐座』は、見上げるほど大きな岩、変わった形をしている岩で、古来神が降臨する場所、もしくはそれ自体をご神体と考えられてきた岩のことをいう。

磐座のある神社

神倉神社 ゴトビキ岩
和歌山県新宮市、熊野三山でも知られる熊野速玉大社の摂社で神倉山に鎮座している。このゴトビキ岩自体が御神体としてお祀りされている。

神奈備 かんなび

『神奈備』は、天高くそびえ、人が易々と立ち入ることができない山で、古来神の宿る、神の鎮まる、神の隠れる山のことをいう。

神奈備のある神社

大神神社 三輪山
奈良県桜井市に鎮座する大神神社は、三輪山を御神体としてお祀りしている。

古来の祭祀の形

冒頭で書いたように古来の祭祀は、神聖な場所で神の降臨する依り代を決め、その場所へ神をお招きして行っていた。
この祭祀の形を残しているものが、家を建てる時に行う『地鎮祭』だ。
地鎮祭は、家を建てる場所の土地の神様を神籬(ひもろぎ)にお招きして行われる。
地鎮祭についてはこちらで説明